リハビリテーションとは
病気や障害によってそれまでの生活が営めなくなった人が、再び充実した生活を取り戻すことです。
そこでは専門家や家族、また病院や施設などで働く人びとのみが直接的に関わるだけではなく、
地域住民、もっと大きく言えば、社会全体の理解や協力も必要であり、
多くの人々の理解や協力によって成り立つものです。
その点では、社会に生きる私達すべてが、直接的・間接的にリハビリテーションに関わっているのです。
作業療法とは
その中で、作業療法士は、主に直接的に関わる一員です。
作業療法の特徴の一つとして、障害を持つ人々に対して、
活動すること(作業活動)に焦点を当て、支援する手段としています。
ちなみに、作業療法は Occupational Therapy 、その頭文字を取って O.T. と略されます。(医師がDr. 看護師がNs. と略されるように)
さて、この世の中には、様々な療法があるようです。
薬をつかった薬物療法や、音楽を使った音楽療法。
じゃあ、どんな作業をするから作業療法なの?黙々と作業してればいいの?
まず、作業療法の作業とはどのようなものか。
作業活動の範囲は広く、
歩く、人と話す、食べる、仕事、遊ぶ、何かに触る、笑う、空を眺める・・・など、
私達の生活に関わる事すべて、私達の生活そのものと言い換えても良いかもしれません。
そして、作業療法で大切にしていることは、作業そのものではなく、「作業への取り組み方」です。
語源から考えてみると、Occupational Therapy の ”Occupation” ”Occupy” には
「(物事に集中して)心奪われる」「専心する」 という意味があります。
簡単に言おうとしても難しいですが、
作業療法士(治療者として)の立場から、治療効果のある作業を「やらせる」 わけではなく、
①その人が意欲的に取り組めるような(興味・関心のある)活動
②その人の伸ばしたい部分(筋力、バランス、集中力、人との関わりかたなど)が含まれる活動
その二つを考慮し、生活するための動作・ 活動を練習します。
そして、集中して活動に取り組むことで、心身ともに種々の効果が得られる。
その積み重ねが、生活の良い結果に、つながっていく。
そういった部分が、作業療法のとても大切な考え方のひとつです。
作業療法士の主な活動の場
群馬県内で活躍する作業療法士は757名(平成26年8月31日現在)です。主な活動(勤務)の場として、
総合病院、小児病院、老人病院、精神病院、リハビリテーションセンター、介護老人保健施設、などがあります。